[平成17年4月1日現在法令等]
贈与税がかかる場合
贈与税は、個人から財産をもらったときにかかる税金です。 会社など法人から財産をもらったときは贈与税はかかりませんが、所得税がかかることになっています。
また、次のような場合は、贈与を受けたとみなされて贈与税がかかることになっています。 自分が保険料を負担していない生命保険金を受け取った場合、あるいは債務の免除などにより利益を受けた場合などです。 ただし、死亡した人が自分を被保険者として保険料を負担していた生命保険金を受け取った場合は、贈与税でなく相続税の対象となります。 贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択することができます。
1 暦年課税
贈与税は一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません。(この場合、贈与税の申告は不要です。) しかし、110万円を超える財産をもらったときであっても贈与税はかからないことがあります。代表的な例は次の二つです。
- 夫婦の間で居住用の不動産又は居住用の不動産を取得するために金銭の贈与を受け配偶者控除を受ける場合
- 父母等から住宅取得資金等の贈与を受けたときの特例を受ける場合
なお、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下でも贈与税がかかる特別な場合が一つだけあります。 父母等から住宅取得資金等の贈与を受けたときの特例をその年の前年以前4年以内に受けている場合です。
贈与税がかからない場合
贈与税は、贈与を受けたすべての財産に対して課税することを原則としていますが、その財産の性質や贈与の目的などからみて次に掲げる財産については、贈与税が課税されないことになっています。
- 法人からの贈与により取得した財産 贈与税は個人から財産をもらった場合にかかる税金であり、法人から財産をもらった場合には贈与税ではなく所得税がかかります。
- 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者の間で生活費や教育費に充てるため取得した財産 ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などに充てるための費用をいいます。 しかし、この非課税となるのは、生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。したがって、生活費や教育費の名目で贈与を受けた場合であっても、それを預金したり株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税が課税されることになります。
- 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者が取得した財産で、その公益を目的とする事業に使われることが確実なもの
- 奨学金の支給を目的とする特定公益信託や財務大臣の指定した特定公益信託からを取得した場合で一定の要件に当てはまるもの
- 地方公共団体の条例によって、精神や身体に障害のある人又はその人を扶養する人が心身障害者共済制度に基づいて支給される給付金を受ける権利を取得した場合 また、国内に居住する特別障害者が特別障害者扶養信託契約に基づいて信託受益権の贈与を受けた場合には、その信託の際に「障害者非課税信託申告書」を信託会社の営業所を経由して特別障害者の納税地の所轄税務署長に提出することにより、信託受益権の価額(信託財産の価額)のうち、6,000万円までの金額については贈与税が課税されません。
- 公職選挙法の適用を受ける選挙の候補者が、選挙運動のために金品を取得した場合 この場合、公職選挙法の規定により報告がされているものに限られます。
- 個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞などのための金品で、社会通念上相当と認められるもの
- 相続や遺贈により財産を取得した人が、相続があった年に被相続人から贈与された財産 この場合は、贈与税の課税対象とはしないで、相続税の課税対象として相続財産に加算することになっています。 しかし、相続のあった年の贈与であっても、例外として被相続人の配偶者で、贈与税の配偶者控除の適用要件を充たす者が、その対象となる居住用不動産などの贈与を受けている場合には、その控除されることになる金額(最高2,000万円が限度となります。)に相当する部分について、相続税の申告書に、所定の記載及び書類の添付をすることにより、相続財産に加算せずに贈与税の対象とすることができます。
贈与税の計算と税率(暦年課税)
贈与税の計算は、まず、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与によりもらった財産の価額を合計します。 続いて、その合計額から基礎控除額110万円を差し引きます。
次に、その残りの金額に税率を乗じて税額を計算します。
ここでは計算に便利な速算表を掲載します。 速算表の利用に当たっては基礎控除額の110万円を差し引いた後の金額を当てはめて計算してください。それにより贈与税額が分かります。
基礎控除後の課税価格 |
税率 |
控除額 |
200万円以下 |
10% |
− |
300万円以下 |
15% |
10万円 |
400万円以下 |
20% |
25万円 |
600万円以下 |
30% |
65万円 |
1,000万円以下 |
40% |
125万円 |
1,000万円超 |
50% |
225万円 |
(例)贈与財産の価額の合計が400万円の場合(400万円−110万円)×15%−10万円=33.5万円(贈与税額)
共働きの夫婦が住宅を買ったとき
共働きの夫婦が住宅を購入するとき、その購入資金を夫婦共同で出す場合があります。
そのようなときに、実際の購入資金の負担割合と所有権登記の持分割合が異なっている場合には、贈与税の問題が生ずることがあります。
例えば、総額3,000万円の住宅を購入し、夫が2,000万円、妻が1,000万円の資金負担をしたものの、所有権の登記は夫と妻それぞれの持分を2分の1とした場合です。
この場合、妻の所有権は登記持分の2分の1ですから、3,000万円の2分の1の1,500万円となります。しかし、購入のための資金は1,000万円しか負担していませんから、差額の500万円については夫から妻へ贈与があったことになります。
この場合、資金の負担割合に応じて夫3分の2、妻3分の1の所有権登記がなされていれば、贈与税の問題は生じません。
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